【初心者向け】イカの捌き方は6ステップ!まずは道具をそろえよう
初めてイカをさばくなら、一般的なスルメイカを使うと手順を覚えやすくなります。最初から刺身を目指す必要はありません。まずは胴とげそを分け、内臓や軟骨を取り除く基本の下処理から始めましょう。

用意するものは、包丁、まな板、キッチンペーパー、ボウル、必要に応じてキッチンばさみです。内臓から出る水分や墨で作業台が汚れやすいため、新聞紙や使い捨てシートなどを敷いておくと、後片付けも楽になります。
イカの下処理の基本手順は次のとおりです。
- 胴とげそを分ける:胴の中に指を入れ、軟骨と内臓のつながりをそっと外す。エンペラと足の付け根を持ち、ゆっくり引き抜く。
- 軟骨を抜く:胴の中にある透明で細長い軟骨を引き抜く。
- 胴の中を掃除する:残った内臓や汚れを取り除き、短時間で洗って水気を拭く。
- ワタとげそを切り分ける:内臓を傷つけないように、足の付け根付近で切り離す。
- げそを処理する:目、くちばし、硬い吸盤などを取り除く。
- 胴の皮をむく:エンペラを外して皮の端をつかみ、キッチンペーパーを使いながらむく。
この順番は、白ごはん.comやキッコーマンの基本的な手順とも共通しています。ポイントは、胴と内臓を力任せに引き離さないこと。途中で抵抗を感じたら、無理に引っ張らず、指で付け根のつながりを確認してください。
なお、イカの種類や大きさによって、皮のむきやすさや内臓の位置は多少異なります。以下では、一般的なスルメイカを例に、部位ごとの処理方法を詳しく解説します。
【胴・げそ・ワタ】部位の名称と失敗しない下処理のポイント
イカは部位ごとに食感や使い道が違います。どこを残し、どこを取り除くのかを把握しておけば、食材を無駄にせず、料理に合わせて使い分けられます。
| 部位 | 特徴・処理方法 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 胴 | 筒状の身。軟骨と内臓を抜き、必要に応じて皮をむく。 | 刺身、炒め物、煮物、リング揚げ |
| エンペラ | 胴の上部にある三角形のひれ。胴から外して皮をむく。 | 炒め物、焼き物、和え物 |
| げそ | 足の部分。目、くちばし、硬い吸盤などを処理する。 | げそ焼き、唐揚げ、炒め物 |
| ワタ | 内臓部分。食用にする場合は状態を確認し、適切に処理する。 | わた焼き、加熱料理、塩辛の材料 |
| 墨袋 | ワタ付近にある墨を含む袋。破らないように取り外す。 | 料理に応じて取り除く。イカ墨料理にも利用できる。 |
| 軟骨 | 胴の中にある透明で細長い部分。基本的に取り除く。 | 通常は下処理で除去 |
| くちばし | 足の付け根中央にある硬い部分。指で押し出して取り除く。 | 通常は下処理で除去 |
イカのワタの取り方
ワタをきれいに残したい場合は、胴と足を分ける段階から慎重に扱います。胴の中に指を入れ、軟骨に沿って内側のつながりを少しずつ外してください。エンペラと足側をそれぞれ持ち、内臓を引きずらないようにゆっくり引き抜きます。
ワタを取り出したら、足とのつながりを確認し、必要な位置で包丁を入れて切り離します。ワタを使わない料理でも、内臓の一部が胴に残っていないかを確認しましょう。
ワタはイカのうまみを楽しめる部位ですが、生のまま食べることには食中毒のリスクがあります。塩を振るだけ、醤油に漬けるだけといった処理で寄生虫対策が完了するわけではありません。加熱料理に使う場合も、十分な加熱を徹底してください。
イカの墨袋の取り方
墨袋はワタに付着している、黒い墨を含んだ細長い袋です。袋を破ると墨が広がり、ワタや周囲が黒く汚れてしまいます。
白ごはん.comやキッコーマンの解説では、ワタから墨袋をそっと引きはがす方法が紹介されています。足側に付いている部分を指でつまみ、袋を押しつぶさないようにゆっくり外しましょう。滑ってつかみにくい場合は、指先の水分を拭き取ってから作業すると扱いやすくなります。
墨袋が破れた場合は、周囲の汚れを洗い流して取り除きます。ただし、墨が付いたかどうかだけで食材の安全性を判断することはできません。生食を予定している場合は、別途、寄生虫対策と衛生管理を行ってください。
イカげその処理方法
スルメイカの足は10本あり、そのうち2本は長く伸びた「触腕」です。げそを調理しやすい形に整えるときは、長い触腕をほかの足と同程度の長さに切りそろえ、必要に応じて2本ずつに分けます。
目の周辺に包丁を入れてワタと足を切り分け、目を取り除きます。続いて足の付け根を開き、中央にある硬いくちばしを指で押し出してください。くちばしは口当たりが悪いため、取り残しがないように確認します。
吸盤の硬い部分は、指でしごいたり、包丁の刃先でこそげたりして取り除きます。キッコーマンの解説でも、小さな吸盤をこそげ取り、大きなものは切り取る方法が紹介されています。作業中に指を切らないよう、包丁を使う際は足を安定させてください。
胴に残った薄皮や汚れも忘れずに
胴の中を洗うときは、ボウルにためた水や流水を使い、短時間で済ませます。洗った後はキッチンペーパーで水気を拭き取り、汚れや内臓の残りがないか確認しましょう。水に長く浸けると水っぽくなり、食感が損なわれやすくなります。
【胴の皮のむき方・刺身の切り方】食感をよくするコツ
イカの皮は滑りやすく、素手では途中でちぎれてしまうことがあります。皮をむくときは、胴とエンペラの接合部から始めるのが基本です。
まず、胴とエンペラのつながりに指を入れ、エンペラを外します。皮がはがれた部分をつかみ、胴の付け根に向かって皮をむいてください。皮が滑る場合は、乾いたキッチンペーパーでつかむと作業が安定します。
一度にすべてむこうとすると皮がちぎれることもあるため、残った部分は少しずつ処理します。白ごはん.comでは、エンペラを外した部分を起点に、胴の皮をむき残しがないように取り除く手順が紹介されています。
胴を輪切りにして煮物や炒め物にするなら、必ずしも皮をむく必要はありません。一方、刺身では皮や薄皮、硬い部分を取り除くことで、口当たりを整えやすくなります。
イカ刺身の切り方
刺身にする場合は、下処理した胴を軟骨が入っていた側から開き、平らな状態にします。内側に残った薄皮や汚れをキッチンペーパーで丁寧に取り除き、表面の水分を拭き取ります。足側の硬い突起や端の硬い部分も、必要に応じて薄く切り落としましょう。
切り方は、イカの種類や身の厚さ、好みの食感によって使い分けます。細切りは食べやすく、薄めのそぎ切りは口当たりを軽くしやすい方法です。身の繊維を意識して包丁を入れると、かみ切りやすさも調整できます。
包丁はよく切れるものを使い、刃を前後に何度も往復させず、できるだけ一度で引き切ります。切れ味が悪い包丁では身がつぶれやすく、見た目や食感も損なわれます。
なお、見た目が透明で、身に張りがあるからといって、寄生虫がいないと判断できるわけではありません。刺身にする前には、目視による確認に加え、生食用として適切に取り扱われた商品かどうかも確認してください。
【イカの冷蔵・冷凍保存方法】おいしさを保つポイント
イカは購入後の温度管理が大切です。すぐに調理しない場合は、まず冷蔵庫に入れ、表示された消費期限を守って早めに使い切ります。丸ごと購入したイカは、買ってきた状態で冷蔵保存する方法もありますが、保存期間を延ばしたい場合は冷凍が便利です。
冷蔵保存の手順
- 購入後はできるだけ早く冷蔵庫に入れる。
- 下処理を済ませた場合は、胴やげその水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- 清潔な容器や保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫で保管する。
- 消費期限を確認し、できるだけ早く調理する。
冷蔵保存では、内臓を取り除けば無期限に鮮度が保たれるわけではありません。処理後も傷みは進むため、購入時の状態や商品の表示に応じて判断してください。生食を予定している場合は、保存日数だけを根拠に安全と判断しないことが大切です。
冷凍保存の手順
ニチレイフーズやキッコーマンの保存情報では、イカを下処理してから冷凍する方法と、丸ごと冷凍する方法が紹介されています。使う料理が決まっているなら、部位ごとに分けておくと調理がスムーズです。
- 胴・げそなどを必要に応じて分け、表面の水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- 一度に使う量ごとにラップでぴったり包む。
- 冷凍対応の保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて密閉する。
- 冷凍庫に入れ、保存した日付を記録する。
キッコーマンが紹介する家庭向けの冷凍方法では、保存期間の目安は約1カ月です。これは品質を保つための目安であり、保存状態によって風味や食感は変化します。長期間放置せず、早めに使い切りましょう。
丸ごと冷凍する場合は、足をたたんでラップで包み、保存袋に入れて空気を抜きます。調理時は、袋に入れたまま冷蔵庫に移すか、袋のまま冷水で解凍します。直接水にさらすと水っぽくなりやすいため、保存袋を使ったまま解凍するのがおすすめです。
ただし、通常の保存用冷凍と、アニサキス対策としての冷凍は目的が異なります。家庭の冷凍庫で保管したことだけを理由に、生食できると判断してはいけません。
【新鮮なイカの選び方】色・張り・吸盤をチェック
イカをおいしく食べるには、さばき方だけでなく、購入時の見極めも重要です。キッコーマンの食材解説では、胴の赤褐色が鮮やかで透明感があり、吸盤が吸い付くようなものが新鮮なイカの目安として紹介されています。
店頭では、次のポイントを確認しましょう。
- 胴の色:赤褐色が鮮やかで、全体に透明感があるか。
- 身の張り:胴がふっくらとしており、表面に張りがあるか。
- 吸盤の状態:足に弾力があり、吸盤に適度な吸着力が感じられるか。
- におい:不自然な刺激臭や、明らかな異臭がないか。
- 表示と保管状態:消費期限、保存温度、生食用かどうかの表示を確認できるか。
色だけで鮮度を断定するのは避けましょう。イカの種類や流通・保管条件によって見た目は異なり、透明感があっても衛生上のリスクがないとは限りません。購入後は持ち帰りに時間をかけず、速やかに冷蔵または冷凍してください。
刺身にする場合は、鮮度のよさに加えて、生食用として販売されているか、適切な温度管理がされているかを確認することが大切です。鮮度の高いイカを選ぶことは重要ですが、それだけで食中毒を防げるわけではありません。
【イカを生で食べるときの注意点】鮮度だけでは防げないリスク
イカの刺身を家庭で作る際に見落とせないのが、寄生虫アニサキスによる食中毒です。厚生労働省によると、アニサキスの幼虫はイカを含む魚介類に寄生し、長さは約2~3cm、幅は約0.5~1mmほどの白い糸のように見えます。
アニサキスは魚介類が死んで時間が経つと、内臓から筋肉へ移動することがあります。そのため、内臓を早めに取り除くこと、身や内臓の表面をよく観察することは重要ですが、それだけでリスクを完全になくすことはできません。
厚生労働省が示す予防方法は、目視による確認に加え、適切な冷凍または加熱を行うことです。具体的には、マイナス20℃で24時間以上の冷凍、または70℃以上での加熱、もしくは60℃で1分間の加熱が有効とされています。
ただし、家庭用冷凍庫では庫内温度や食品の中心温度、冷凍にかかる時間が条件を満たすとは限りません。通常の家庭冷凍をしただけで、生食の安全性が保証されるわけではない点に注意が必要です。
また、一般的な料理に使う酢、塩漬け、醤油、わさびでは、アニサキスは死滅しません。細く切る、飾り包丁を入れるといった工夫は身の食感を整えるのには役立ちますが、それだけで確実な予防策になるわけではありません。
家庭で刺身を作る場合は、生食用として適切に管理された商品を選び、販売店の案内に従うことが基本です。生食の安全性に不安がある場合は、十分に加熱して食べる方法を選んでください。生のイカや内臓を、処理が不十分なまま食べることは避けましょう。
なお、激しい腹痛や吐き気など、アニサキス症が疑われる症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
【イカの捌き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:イカは初心者でも簡単にさばけますか?
A1:はい。胴からげそとワタを外し、軟骨、くちばし、目を取り除く基本の手順を覚えれば、家庭でもさばけます。包丁の扱いに不慣れな場合は、キッチンばさみを併用すると作業しやすくなります。最初は刺身にこだわらず、加熱料理から試すのもおすすめです。
Q2:イカの皮は必ずむく必要がありますか?
A2:必ずしも必要ではありません。炒め物や煮物では皮を残しても調理できますが、刺身などで口当たりをよくしたい場合は、皮や薄皮を取り除くと仕上がりを整えやすくなります。キッチンペーパーで皮をつかむと、滑りにくくなります。
Q3:さばいたイカは冷蔵庫で何日保存できますか?
A3:保存可能な日数は購入時の鮮度、処理方法、温度管理によって変わるため、一律には決められません。商品の消費期限を守り、冷蔵庫で保管して早めに食べ切るのが基本です。すぐに使い切れない場合は、下処理して小分け冷凍する方法が便利です。
Q4:墨袋を破ってしまった場合はどうすればよいですか?
A4:墨が広がった部分を洗い流し、汚れを取り除いてください。墨が付いたこと自体で直ちに食べられなくなるわけではありませんが、においや傷みの状態も確認し、衛生的に処理する必要があります。生食を予定している場合は、寄生虫対策を別途行ってください。
Q5:イカを冷凍すれば刺身で食べても安全ですか?
A5:通常の保存用冷凍だけでは、安全とは判断できません。アニサキス対策には、中心部まで適切な温度と時間で冷凍することが必要です。家庭用冷凍庫では条件を満たしたか確認しにくいため、生食用として適切に管理された商品を選び、販売店の案内に従ってください。
【プロの結論】イカ1杯を無駄なく使い切るための判断基準
イカの捌き方で最も大切なのは、力任せに引っ張らず、胴・げそ・ワタのつながりを確認しながら順番に処理することです。最初に内臓を傷つけないように外し、軟骨やくちばしを取り除けば、さまざまな料理に使える状態に整えられます。
料理の目的によって、下処理の細かさを変えるのもコツです。煮物や炒め物なら皮を残してもよく、刺身なら薄皮や硬い部分まで丁寧に取り除くと、食感を整えやすくなります。ワタやげそも、適切に処理して加熱料理などに使えば、1杯を無駄なく活用できます。
保存は、すぐに使うなら冷蔵、後日使うなら水気を拭いて小分け冷凍が基本です。冷凍保存の目安は約1カ月ですが、これは品質を保つための目安であり、生食の安全性を保証するものではありません。
白ごはん.comの部位ごとの詳しい処理手順、ニチレイフーズの冷凍保存の工夫、キッコーマンの選び方と下処理の解説は、用途に合わせた実践の参考になります。そこに厚生労働省のアニサキス対策を組み合わせることで、おいしさと安全性の両方を意識した調理ができます。
まずは一杯を丁寧にさばき、胴は刺身や炒め物、げそは焼き物、ワタは十分に加熱する料理へ。部位ごとの特徴と保存の基本を覚えれば、イカ料理の幅はぐっと広がります。 (出典: イカ の 捌き 方(Yahoo!ニュース))