IVY選抜とは?出雲駅伝2026で3位・2時間7分24秒の実力と歴史を徹底解説
「IVY選抜とは何者なのか」「なぜアメリカの大学の選手たちが日本の出雲駅伝に出場するのか」――。2026年10月12日に開催された第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走で、アイビーリーグ選抜は2時間7分24秒で3位に入り、過去最高順位を更新しました。早稲田大学、國學院大學に続く表彰台入りは、日本の大学駅伝ファンにとっても大きな話題となりました。
IVY選抜の正体は、ハーバード大学やイェール大学など、アメリカの名門私立大学8校から選ばれた長距離ランナーによる海外招待チームです。1998年から出雲駅伝への参加を続けてきましたが、その歴史は単なる海外チームの招待にとどまりません。卒業生を中心とした独特の編成、NCAAの競技資格制度、駅伝文化への適応、そして近年の躍進が、チームの実態を理解する重要なポイントです。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- IVY選抜とは:アメリカのアイビーリーグ8大学にゆかりのある選手で構成される、出雲駅伝の海外招待チーム。
- 2026年の実績:10月12日の第38回大会で2時間7分24秒を記録し、過去最高の3位に入賞。
- 躍進の背景:卒業生や競技継続者の選抜に加え、駅伝への理解を深める取り組みと、経験者を中心としたチームの結束が成果につながった。
【IVY選抜とは】アイビーリーグ8大学から集まる海外招待チーム
IVY選抜とは、アメリカ北東部に位置する伝統ある私立大学群「アイビーリーグ」に所属する大学の出身者などで構成される、長距離走の選抜チームです。日本では主に、大学三大駅伝の初戦として知られる出雲駅伝への出場を通じて認知されています。
アイビーリーグは、単に偏差値や大学ランキングが高い大学を集めた呼称ではありません。大学スポーツのリーグとして成立している点が特徴で、所属する8大学は次のとおりです。
- ハーバード大学
- イェール大学
- プリンストン大学
- コロンビア大学
- コーネル大学
- ペンシルベニア大学
- ダートマス大学
- ブラウン大学
この8大学は学業面でも広く知られていますが、IVY選抜の選考基準は入試の成績や学歴の優秀さではありません。長距離走の競技実績や競技継続状況、出雲駅伝に参加できる条件などを踏まえ、レースを走るメンバーが選ばれます。
また、「IVY選抜」という言葉は、文脈によって別の選抜制度を指す可能性があります。出雲駅伝に関する記事や中継で登場するIVY選抜は、入試制度ではなく、アメリカの大学スポーツにルーツを持つ陸上チームのことです。
2026年の選手紹介では、ハーバード大学、コロンビア大学、コーネル大学、プリンストン大学の出身者が名を連ねました。8人の登録選手から当日の6区間を走る選手が選ばれる仕組みで、日本の大学が在学中の選手を中心に編成するのとは異なる特徴を持っています。

【参加理由と歴史】なぜアイビーリーグ選抜は出雲駅伝に招待されるのか
アイビーリーグ選抜の出雲駅伝参加は、1998年の第10回大会から始まりました。ただし、日本の大学駅伝との交流はそれ以前にさかのぼります。
朝日新聞系の学生スポーツ媒体「4years.」が2025年に掲載した関係者への取材記事によると、1980年代に日本陸上競技連盟会長を務めた河野洋平氏と、ブラウン大学卒業生のヴァーノン・オールデン氏の間で、アイビーリーグ選抜を日本に招く構想が生まれました。
その後、チームは1990年から1997年まで全日本大学駅伝に参加しました。しかし、長い距離の区間への対応などが課題となり、1998年からは比較的短い区間で構成される出雲駅伝へ参加する形に変更されました。新型コロナウイルス感染症の影響で2020~2022年は参加が途絶えましたが、2023年に復帰しています。
では、なぜ日本の大会に海外チームを招くのでしょうか。
出雲駅伝の公式大会概要では、海外の大学チームを招待する目的の一つとして、学生が国際的な視野を広げることが挙げられています。レースの競争力を高めるだけでなく、異なる国の選手が同じ舞台で競い、互いの競技文化を知る機会をつくることにも意味があります。
実際、アイビーリーグ選抜の参加活動には、地元の高校生との交流や日本の駅伝文化を学ぶ機会も含まれます。海外選手が日本独自のたすきリレーを体験する一方、日本の学生や地域の子どもたちにとっても、海外の競技者と接する貴重な機会になります。
2026年大会の出場枠も、国内の地区学連選抜とは異なります。大会公式の要項では、国内の地区学連が選ぶ20チームに、国外チームのアイビーリーグ選抜とオープン参加の中国四国学連選抜を加え、合計22チームが出場する構成でした。IVY選抜は日本の大学と同じ地区予選を勝ち抜いて出場するチームではなく、海外招待枠で参加しています。
したがって、参加の理由は「名門大学の選手を日本の大学と競わせるため」だけではありません。国際交流、駅伝文化の発信、競技レベルの向上という複数の目的を持つ取り組みなのです。
【2026年最新】アイビーリーグ選抜は3位・2時間7分24秒で過去最高順位を更新
2026年10月12日に島根県で開催された第38回出雲駅伝で、アイビーリーグ選抜は総合3位に入りました。記録は2時間7分24秒。早稲田大学の2時間5分56秒、國學院大學の2時間6分54秒に続く結果で、従来のチーム最高順位を更新する初の表彰台となりました。
月刊陸上競技の大会結果や大会関係の公式記録によると、2026年は上位チームの好記録が相次いだ高速レースでした。アイビーリーグ選抜も従来の大会記録を上回るタイムを記録し、日本の強豪大学と互角に競り合える実力を示しました。
歴代順位を見ると、近年の躍進がより明確になります。
| 大会・年 | 総合順位 | 記録 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 2011・2012年 | 8位 | ― | 全米から選手を募った特例編成。現在の卒業生中心のチームとは単純比較しにくい |
| 2015年 | 9位 | ― | アイビーリーグ出身者中心の編成における、2024年以前の主な到達点 |
| 2024年・第36回 | 5位 | 2時間12分18秒 | 当時の過去最高順位を大幅に更新 |
| 2025年・第37回 | 4位 | 2時間10分12秒 | 前年の記録をさらに上回る順位とタイム |
| 2026年・第38回 | 3位 | 2時間7分24秒 | 初の表彰台。過去最高順位を3年連続で更新 |
歴代順位を調べる際には、2011年と2012年の成績にも注意が必要です。この2大会では、主催者と相談したうえでアイビーリーグ以外の大学出身者も含めて全米から選手を募っていました。そのため、現在の「アイビーリーグ出身者を中心に構成する」というチームのあり方と、同じ条件で比較できるわけではありません。
一方、近年の成績は明確です。2024年の5位、2025年の4位、そして2026年の3位と、連続して過去最高順位を更新しました。単発の好走ではなく、チーム編成や駅伝への準備を含めた継続的な変化が結果に表れています。
2026年のレースでは、1区を10位で終えた後、2区で順位を上げ、5区と6区でさらに巻き返しました。5区のデレック・アミコンが17分36秒で区間2位の走りを見せ、3人を抜いて5位に浮上。アンカーのエイサー・アイバーソンが日本大学と中央大学をかわし、3位でフィニッシュしました。
6区間を通して区間賞を獲得したわけではありません。それでも、各区間で大きく崩れず、後半に順位を上げたことが表彰台につながりました。個人の記録だけでなく、たすきをつなぐチーム競技としての完成度が問われたレースだったといえます。

【注目選手】グラハム・ブランクス、タイラー・バーグ、エイサー・アイバーソンの実力
2026年のアイビーリーグ選抜を語るうえで欠かせないのが、世界大会で実績を持つグラハム・ブランクス、複数回の出雲駅伝出場経験を持つタイラー・バーグ、そしてアンカーを務めたエイサー・アイバーソンです。
グラハム・ブランクス:世界レベルの記録を持つハーバード大出身ランナー
グラハム・ブランクスは、ハーバード大学を2025年に卒業した長距離ランナーです。2024年パリ五輪の男子5000メートルで9位に入り、2025年の東京世界陸上では男子10000メートルで11位を記録しました。
自己ベストは5000メートル12分47秒98、10000メートル26分57秒30。いずれも世界トップクラスの水準です。現在はプロランナーとして活動しており、学生競技を終えた後も高い競技力を維持しています。
2026年の出雲駅伝では3区を担当し、8.5キロを23分50秒で走って区間7位となりました。世界大会の実績から大きな期待を集めた選手ですが、駅伝は個人の持ちタイムだけで結果が決まる競技ではありません。彼の走りも、チーム全体の流れをつくる一つの区間として機能しました。
タイラー・バーグ:出雲駅伝の経験を持つコロンビア大出身者
タイラー・バーグはコロンビア大学の2023年卒業生です。2024年と2025年に続いて2026年大会にも出場し、出雲駅伝の経験を積み重ねてきました。
2026年は4区の6.2キロを17分25秒で走り、区間5位を記録しました。過去の出場経験がある選手は、コースの特徴やたすきリレーの緊張感を把握している点で、新たに参加する選手とは違った強みを持ちます。
2026年のチームでは、前年からの経験者が6人の走者のうち4人を占めました。バーグのような継続出場者の存在は、個人の走力に加え、チーム全体のレース運びを安定させる要素となりました。
エイサー・アイバーソン:最終6区で2チームを抜いたアンカー
エイサー・アイバーソンは、ハーバード大学の2024年卒業生です。大学卒業後も競技を続け、大学院での学びや競技活動を通じて長距離走に取り組んできました。
2026年は最終6区の10.2キロを担当し、29分37秒で区間5位。5区終了時点で5位だったチームを3位へ押し上げ、過去最高順位でのゴールを決定づけました。最終区間で日本大学と中央大学を抜いた走りは、今回のレースを象徴する場面の一つです。
なお、選手名は日本語報道では「エイサー・アイバーソン」と表記されています。「エイサー・アンバートン」と記載された情報を見かけた場合は、英語名のAcer Iversonと照合すると混同を避けられます。
このほか、2026年はデレック・アミコンが5区で区間2位の走りを見せ、ニック・ベンドツェンが1区、マイルス・ホーガンが2区を担当しました。8人の登録選手のうち誰が当日の6区間を走るかという選手起用も、レースを理解するうえで重要なポイントです。
【現役学生との違い】なぜアイビーリーグ選抜は卒業生中心なのか
アイビーリーグ選抜の特徴としてよく挙げられるのが、卒業生を中心としたチーム編成です。日本の大学駅伝では、大学の陸上競技部に所属する現役学生が中心となりますが、IVY選抜では、アイビーリーグの大学を卒業した後も競技を続けている選手が多く選ばれます。
その背景には、アメリカの大学スポーツを統括するNCAAの競技資格制度があります。4years.の2025年の取材記事では、NCAAに所属する選手が公認の公式戦以外の大会に出場すると、競技資格に影響する場合があるため、出雲駅伝に出場できる選手の確保が難しいと説明されています。
このため、選手を集める際には、大学での競技資格を使い切った選手や、卒業後も競技を続けている選手などが重要になります。アイビーリーグ選抜は、大学の現役チームがそのまま日本に遠征する形ではなく、卒業後の競技者も含めてメンバーを編成するチームなのです。
ただし、「卒業生中心」という表現を「全員が競技を引退した元選手」と解釈するのは誤りです。2026年の登録メンバーには、すでに大学を卒業してプロとして活動する選手、大学院で学びながら競技を続ける選手、卒業直後に新たな大学院へ進学する選手などが含まれていました。
例えば、ブランクスはハーバード大学卒業後にプロランナーとして活動し、アイバーソンもハーバード大学を卒業した後に競技を継続しています。バーグやアミコンも大学を卒業した後に出雲駅伝へ出場しました。
つまり、IVY選抜は「現役学生か、卒業生か」という二択だけでは理解できません。アイビーリーグの大学を出た後、どのような環境で競技を続けているのかまで見る必要があります。大学を離れても高い競技力を維持する選手が、日本の大学駅伝に再び集まる点が、このチームならではの特徴です。

【チームの実態】寄せ集めから結束力のある駅伝チームへ
アイビーリーグ選抜は、各大学の選手が日常的に同じ陸上競技部で練習するチームとは異なります。選手はアメリカ各地に暮らし、卒業後の進路や練習環境もそれぞれ異なります。そのため、選手を集めること自体が大きな課題となってきました。
2025年の4years.の取材では、以前は監督が候補選手を探して個別に連絡する方法が中心で、チームメートが出雲空港で初めて顔を合わせるケースもあったと報じられています。選手の競技力が高くても、たすきをつなぐ駅伝の戦術やチームとしての共通認識を短期間で整えることは簡単ではありません。
こうした状況を変えるため、近年はアイビーリーグ各大学の卒業生から情報を集めるほか、出雲駅伝の経験者が新しい選手にオンラインで経験を伝えたり、駅伝の仕組みを理解するためのミーティングを行ったりする取り組みが進みました。
2026年のレースでは、6人の走者のうち4人が前年の出雲駅伝を経験していました。1区で10位となった後、2区で順位を上げ、後半の5区と6区で逆転する展開は、チームとしての粘り強さを示すものでした。
この変化を、単に「有名選手が加入したから強くなった」と片づけることはできません。グラハム・ブランクスのような世界レベルの選手の存在は確かに大きな魅力ですが、駅伝では一人のエースだけで順位を決めることはできません。各区間で力を出し切り、後続に良い位置でたすきを渡すことが必要です。
一方、海外招待チームの継続には課題もあります。2025年の関係者取材では、選手の渡航費や滞在費などの負担があり、招待を継続するかどうかが議論されてきたことも明かされています。国際交流の意義だけでなく、運営面の負担と競技面の成果をどう両立させるかは、今後も重要な論点となります。
2026年の3位は、アイビーリーグ選抜が競技面でも存在感を示したことを意味します。国際交流のための招待チームという役割に加え、日本の強豪大学と表彰台を争う存在へと成長した点に、今回の結果の大きな価値があります。
【ivy 選抜とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:IVY選抜とは、どこの大学の選手が集まったチームですか?
A1:ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ペンシルベニア大学、ダートマス大学、ブラウン大学の8大学から選ばれた選手を中心に構成される、出雲駅伝の海外招待チームです。
Q2:アイビーリーグ選抜は現役の大学生だけで構成されていますか?
A2:いいえ。卒業生を中心とした編成が特徴で、大学卒業後もプロや社会人として競技を続ける選手、大学院で学びながら競技を続ける選手などが参加します。2026年のメンバーにも、大学卒業後に競技を継続している選手が複数いました。
Q3:アイビーリーグ選抜の2026年出雲駅伝の順位と記録は?
A3:2026年10月12日の第38回大会で3位に入り、総合記録は2時間7分24秒でした。2024年の5位、2025年の4位に続いて過去最高順位を更新し、初めて表彰台に立ちました。
【プロの結論】IVY選抜は「名門校の寄せ集め」から駅伝を理解したチームへ
IVY選抜を理解するうえで大切なのは、アイビーリーグという大学群の知名度だけで判断しないことです。チームの本質は、アメリカの大学で競技力を磨いた選手たちが、卒業後も競技を続けながら、日本独自の駅伝に挑戦している点にあります。
2026年の2時間7分24秒、そして3位という結果は、単なる好記録ではありません。2024年の5位、2025年の4位、2026年の3位という連続した順位の上昇は、競技力の高い選手を集めることに加え、駅伝への理解とチームの結束を深めてきた成果を示しています。
今後の大会を追う際は、グラハム・ブランクスのような世界大会経験者の出場だけでなく、前年からの継続出場者の人数、各区間の走者の組み合わせ、そしてチームがどの位置でたすきをつないでいるかにも注目すると、レースをより深く楽しめます。
出雲駅伝におけるIVY選抜は、海外の名門大学を代表するだけのチームではありません。異なる大学や競技環境で成長したランナーが、日本の駅伝文化を学び、短期間で一つのチームとなって強豪校に挑む存在です。2026年の初表彰台は、その歩みが新たな段階に入ったことを示す結果となりました。 (出典: ivy 選抜 とは(Yahoo!ニュース))