いじめはなぜ起こる?2026年最新の文科省調査で読む原因・集団心理と対策
いじめはなぜ起こるのか。子どもの性格や家庭環境だけでは説明できない問題です。クラス内の人間関係、仲間外れを恐れる集団心理、学校の対応、SNSを通じたつながりなど、複数の要因が重なることで、からかいや無視が深刻ないじめへと発展する場合があります。
文部科学省が公表した令和6年度の調査では、全国の小・中・高等学校と特別支援学校におけるいじめの認知件数は76万9,022件に上り、重大事態も1,405件と過去最多になりました。数字を正しく読み解くには、いじめが起こる背景だけでなく、学校が把握した件数と実際の被害の違い、早期発見の難しさにも目を向ける必要があります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:いじめは単一の原因ではなく、個人の感情、人間関係、集団心理、学校環境などが重なって起こる。
- 要点2:文部科学省の令和6年度調査では、いじめの認知件数が76万9,022件、重大事態が1,405件に達した。
- 要点3:被害者の性格や家庭環境を責めず、早期発見、記録、学校の組織的対応、外部相談を組み合わせることが解決への第一歩となる。
【いじめはなぜ起こる?】原因は一つではなく、集団と環境が重なっている
いじめが起こる理由を理解するには、「誰が悪いのか」という問いだけでなく、「なぜ、その行為が集団の中で続いてしまうのか」という視点が欠かせません。
いじめの背景には、相手を思いどおりに動かしたい気持ち、自分の立場を守ろうとする心理、周囲から認められたい欲求、ストレスのはけ口を求める行動など、さまざまな要素があります。ただし、こうした心理があるからといって、いじめをすることが許されるわけではありません。
1.相手より優位に立ちたいという心理
集団の中で自分の立場を強く見せようとする子どもが、特定の相手をからかったり、命令に従わせたりすることがあります。周囲が笑ったり、相手が反論できなかったりすると、その行動によって自分の影響力を確かめようとする場合もあります。
こうした行為は、最初は軽い冗談やふざけ合いとして始まることがあります。しかし、相手が嫌がっているのに続けたり、拒否するとさらに攻撃したりすれば、深刻ないじめにつながります。
2.ストレスや不安を他人に向ける
勉強や部活動のプレッシャー、人間関係の悩み、自分への不満などが、他人への攻撃として表れるケースもあります。自分の抱える不安をうまく言葉にできず、立場の弱い相手に強く当たることも考えられます。
ただし、ストレスを抱えている子どもが必ずいじめをするわけではありません。ストレスは背景の一つになり得ますが、いじめの発生をそれだけで説明することはできません。
3.違いが目立つ相手を排除する
外見、話し方、性格、趣味、学力、運動能力、障害の有無など、周囲との違いがきっかけとなって、からかいや仲間外れが始まることがあります。転校やクラス替えなど、集団内の関係が変化する時期にも注意が必要です。
ここで重要なのは、違いそのものがいじめの原因なのではないという点です。違いを理由に相手を排除してよいと考える態度や、それを止められない集団の状態に問題があります。
4.周囲が止めないことで、いじめが続く
いじめは、行為をする本人と被害を受ける本人だけで成立するとは限りません。周囲の子どもが面白がって笑う、見て見ぬふりをする、仲間外れにされることを恐れて同調する。こうした反応が、いじめを続けやすい状況を生み出します。
キズキ共育塾のいじめに関する解説や、いじめ対策Webの原因分析、フリースクールここによる構造と対応策の解説でも、個人の性格だけに原因を求めず、学校や家庭、周囲の環境を含めて考える視点が示されています。いじめの原因を考える際は、加害行為をした子どもの心理だけでなく、行為を許容してしまう環境にも目を向ける必要があります。

【文部科学省の調査で見る実態】いじめの認知件数はなぜ過去最多になったのか
いじめの実態を把握するうえで重要なのが、文部科学省による「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」です。2026年時点で確認できる令和6年度の全国調査では、いじめの認知件数と重大事態の発生件数が、ともに過去最多となりました。
主な数値は次のとおりです。
| 調査項目 | 令和6年度の結果 | 読み解くポイント |
|---|---|---|
| いじめの認知件数 | 769,022件 | 小・中・高等学校と特別支援学校の合計。過去最多。 |
| いじめの重大事態 | 1,405件 | 前年度から99件増加し、過去最多。 |
| インターネット上のいじめ | 約2万7,000件 | 前年度より約2,700件増加。 |
| 年度末時点の解消状況 | 585,349件 | 認知件数全体の約76.1%。認知されたすべての事案が解消したわけではない。 |
| いじめを認知していない学校 | 5,407校 | 認知件数ゼロが、いじめの不存在を必ずしも意味するわけではない。 |
出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について」。
認知件数が増えたことは、いじめだけが増えたことを意味しない
認知件数の増加には、実際に発生した事案のほか、学校が小さな嫌がらせまで把握するようになったことも関係します。文部科学省は、いじめの定義への理解の広がり、アンケートや教育相談の充実、1人1台端末を活用した心の健康観察、SNS上のいじめの積極的な認知などを、認知件数が増加する背景として挙げています。
そのため、認知件数の増加を、そのまま実際のいじめの増加率と解釈することはできません。一方、認知件数が少ない学校なら安全だと判断することもできません。問題が起きていない可能性と、問題を把握できていない可能性の両方があるからです。
文部科学省は、令和6年度にいじめを認知していない学校についても、認知漏れがないかを検証する必要性を指摘しています。いじめを早い段階で認知することは、学校の失敗を示すものではなく、解決に向けた対応を始めるための前提です。
「いじめの原因ランキング」は公式統計と区別する
検索すると、いじめの原因ランキングや、いじめが起きる理由をグラフで整理した解説が見つかります。こうした情報は問題を理解する手がかりになりますが、全国のいじめについて、すべての原因を同じ基準で順位付けした公的なランキングがあるかのように受け取るのは適切ではありません。
文部科学省の調査が主に把握しているのは、学校が認知した件数や対応状況などです。いじめの動機は事案ごとに異なり、複数の要因が重なることもあります。原因を順位だけで判断せず、調査の対象や集計方法を確認することが大切です。
【クラスでいじめが起こる仕組み】集団心理と仲間外れの連鎖
クラスでいじめが起こる原因を考える際には、集団心理を理解する必要があります。学校のクラスは、毎日顔を合わせ、授業や行事、休み時間を共に過ごす集団です。友人関係を維持することが重要になる一方、その関係から外れることへの不安も生まれます。
仲間外れによって集団の結束を保とうとする
集団には、共通の趣味や目標を通じて仲間意識を強める働きがあります。しかし、その結束が「自分たちと違う人を排除すること」によって保たれると、仲間外れが起こりやすくなります。
特定の子どもをからかうことがグループ内の共通の話題になったり、誰かを避けることが仲間の暗黙のルールになったりすると、個々の子どもが強い悪意を持っていなくても、排除が続くことがあります。
傍観者が加わると、いじめが止まりにくくなる
いじめの周囲には、積極的に加害行為をする子どもだけでなく、面白がってはやし立てる子ども、見ているだけの子ども、被害者を助けようとする子どもがいます。周囲の反応は、いじめが続くかどうかに影響します。
見て見ぬふりをする理由も一様ではありません。自分も標的にされるのが怖い、先生に報告すると告げ口だと思われそう、どこまでがいじめなのか判断できないなど、さまざまな事情があります。
だからこそ、子どもに「勇気を出して直接止めなさい」と求めるだけでは十分ではありません。安全な方法で大人に伝える、被害を受けた子どもに声をかける、学校が報告者を守る仕組みをつくるなど、集団全体でいじめを許容しない環境を整えることが必要です。
オンラインでは、いじめが教室の外まで続く
SNSやメッセージアプリを通じたいじめには、悪口の投稿、画像の無断共有、グループからの排除、本人のいない場所での中傷などがあります。教室での出来事がオンラインに持ち込まれたり、オンライン上のトラブルが翌日の学校生活に影響したりすることもあります。
オンライン上のいじめは、教職員や保護者が気づきにくく、投稿や画像が保存・拡散されると被害が広がりやすい点が特徴です。文部科学省も、ネット上のいじめについて、学校が認知しきれていない可能性を指摘しています。
いじめは、被害者と加害者だけの問題ではありません。集団のルール、周囲の反応、学校の介入の仕方が重なり、行為が続く構造そのものを変える必要があります。

【家庭環境といじめの関係】加害者・被害者の特徴を決めつけない
家庭環境といじめの関係は、慎重に考える必要があります。家庭内のストレス、感情を表現する機会の少なさ、他人への接し方を学ぶ環境などが、子どもの行動に影響する可能性はあります。しかし、家庭環境だけで、いじめをする子どもと被害を受ける子どもを分類することはできません。
家庭の状況だけで、いじめの原因を説明できない
家庭で安心して過ごせる子どもであっても、学校の人間関係や集団の雰囲気に影響され、他人を傷つける行動を取ることがあります。反対に、家庭で困難を抱えている子どもが、必ず他人をいじめるわけでもありません。
保護者が忙しい、家庭内で意見が衝突する、経済的な不安があるといった事情だけを取り上げて、いじめの原因と断定するのは適切ではありません。家庭環境を把握することは支援を考えるうえで役立ちますが、個別の状況を見ずに家庭を責めることは、解決を遠ざける可能性があります。
いじめをする子どもには、行為への指導と支援が必要
いじめをする子どもに対しては、なぜその行為をしたのかを確認するとともに、被害を受けた側がどのような苦痛を感じたのかを理解させることが重要です。必要に応じて、スクールカウンセラーなどの専門家による継続的な支援も求められます。
ただし、背景を理解することと、行為を許すことは別です。ストレスや不安が背景にあったとしても、相手を傷つけた事実への対応は必要です。被害者の安全を確保しながら、加害行為を止める指導と、再発を防ぐ支援を組み合わせることが求められます。
被害を受ける側に原因を求めない
「本人にも問題があったのではないか」「もっと上手に付き合えばよかったのではないか」と、被害者側の性格や振る舞いに原因を求める考え方には注意が必要です。
人間関係の行き違いや意見の対立があったとしても、嫌がらせや仲間外れを正当化する理由にはなりません。被害者に性格を変えることや、相手と仲直りすることを強制するよりも、まずは被害が止まり、安心して生活できる状態をつくることが優先されます。
【いじめの種類と早期発見】見逃したくない小さなサイン
いじめは、殴る・蹴るといった身体的な暴力だけではありません。言葉による攻撃、無視、仲間外れ、金品への嫌がらせ、SNS上の中傷など、さまざまな形で起こります。目立った暴力がなくても、本人が心身の苦痛を感じていれば、いじめとして対応すべき場合があります。
いじめの主な種類
- 身体的ないじめ:たたく、蹴る、押す、物をぶつけるなど。
- 言葉によるいじめ:悪口、侮辱、容姿や性格へのからかい、脅しなど。
- 関係性を利用したいじめ:無視、仲間外れ、遊びや会話からの排除、うその情報を広める行為など。
- 物や金品に関するいじめ:持ち物を隠す、壊す、勝手に使う、金品を要求するなど。
- インターネット上のいじめ:悪口の投稿、画像の拡散、オンライン上のグループからの排除など。
これらは互いに独立しているとは限りません。教室でのからかいがSNS上の中傷に発展するなど、複数の種類が重なるケースもあります。
法律上の定義では「本人が苦痛を感じているか」が重要
いじめ防止対策推進法第2条では、いじめを、一定の人的関係にある児童生徒から心理的または物理的な影響を受ける行為で、その対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義しています。インターネットを通じた行為も対象です。
そのため、行為をした側が「冗談だった」「遊びのつもりだった」と説明しても、それだけでいじめではないと判断することはできません。行為の内容や継続性、当事者間の関係、被害を受けた子どもの気持ちなどを踏まえて判断する必要があります。
見逃したくない変化
いじめを受けている子どもが、必ずしも自分から被害を訴えるとは限りません。心配な変化として、次のようなサインがあります。
- 学校に行きたがらない、登校前に強い不安や体調不良を訴える。
- 友人の話をしなくなる、休み時間や放課後の予定を避ける。
- 持ち物がなくなる、壊れる、理由のはっきりしない金銭の要求が増える。
- スマートフォンの通知を極端に怖がる、SNSを見た後に落ち込む。
- 睡眠や食欲に変化が出る、急に口数が減る、感情の起伏が大きくなる。
これらの変化があれば、必ずいじめが起きているという意味ではありません。しかし、複数の変化が続いたり、本人が特定の人や場所を怖がったりする場合は、丁寧に話を聞く必要があります。
「何かあったの?」と一度尋ねて終わるのではなく、「最近、学校で安心して過ごせている?」「困ったことがあれば、いつでも話していいよ」と、答えやすい言葉で継続的に確認することが大切です。無理に話させず、本人のペースを尊重しながら安全を確保してください。

【学校と家庭でできるいじめ対策】予防・記録・組織的対応が鍵
いじめの予防では、子どもに思いやりを教えるだけでなく、問題が起きたときに早期に把握し、行為を止められる仕組みを整えることが欠かせません。学校と家庭が役割を分担し、必要に応じて教育委員会や専門機関と連携することが重要です。
学校が取り組むべき予防策
学校には、いじめを未然に防ぐことに加え、発生した事案を早期に認知し、組織的に対応することが求められます。担任一人の判断に任せず、管理職や生徒指導担当者、養護教諭、スクールカウンセラーなどが情報を共有できる体制が必要です。
- 定期的なアンケートと教育相談:教室では言い出しにくい悩みを把握する機会を設ける。
- 小さな行為を見逃さない:からかいや無視も、本人の苦痛や状況に応じて確認する。
- 相談しやすい環境づくり:担任以外にも相談できる教職員や窓口を明確にする。
- 組織的な情報共有:教職員間で事案の経過、対応、再発防止策を共有する。
- 継続的な見守り:指導をした時点で終わりにせず、その後の安全や人間関係を確認する。
- 外部機関との連携:重大な被害や犯罪行為が疑われる場合は、教育委員会や警察などとの連携を検討する。
文部科学省も、いじめの認知件数が多い学校について、初期段階の事案も積極的に認知し、解消に向けた取組を始めている点を肯定的に評価しています。認知件数を減らすこと自体を目標にするのではなく、見つけた問題に適切に対応することが重要です。
家庭でできる予防と対応
家庭では、子どもが困ったときに責められずに話せる関係をつくることが、早期発見につながります。学校での出来事を尋ねるときも、成績や友人関係を問い詰めるのではなく、本人が安心して話せる時間を確保しましょう。
いじめの疑いがある場合は、次の順序で対応すると整理しやすくなります。
- 安全を確保する:登校や外出、オンライン上の接触などについて、本人の状態に応じた安全策を検討する。
- 本人の話を聞く:話を遮ったり、責任を追及したりせず、何が起きたのかを確認する。
- 記録を残す:日時、場所、行為の内容、関係者、学校への相談履歴などを整理する。SNSの投稿は、可能な範囲で日時やアカウント名が分かる形で保存する。
- 学校に具体的に伝える:担任だけで解決しない場合は、管理職や学校のいじめ対策組織、教育委員会に相談する。
- 対応後も確認する:いじめが止まったか、報復や再発がないか、本人が安心して過ごせているかを継続的に確かめる。
被害を受けた子どもが望まない形で相手との話し合いや仲直りを急がせることは避けてください。被害者の安全と気持ちを優先し、必要に応じて第三者の支援を受けることが大切です。
学校が動かないときは、相談先を変えてよい
学校に相談しても十分な対応が得られない、被害が続いている、相談したことによる報復が心配といった場合は、同じ窓口だけに頼り続ける必要はありません。学校の管理職や設置者である教育委員会など、別の相談先に状況を伝えることも選択肢です。
いじめの重大事態については、いじめ防止対策推進法に基づく調査や対応が必要となる場合があります。学校だけで対応しきれない重大な事案や犯罪行為が疑われる場合には、警察などの関係機関との連携も検討されます。
学校に相談する際は、「いつ、どこで、何が起きたか」「本人にどのような影響が出ているか」「学校に何を求めるか」を整理して伝えると、必要な対応を確認しやすくなります。
いじめの相談窓口と支援機関
いじめの問題を家庭や学校だけで抱え込む必要はありません。相談先には、子ども本人が利用できる窓口、保護者向けの相談先、心理面や生活面を支援する機関があります。
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310。文部科学省が案内する相談窓口で、夜間・休日を含めて24時間、いじめや子どものSOSについて相談できます。
- チャイルドライン:0120-99-7777。18歳までの子どもを対象とする無料の電話相談で、案内されている受付時間は毎日16時から21時です。年末年始などに休止期間があります。
- 学校のスクールカウンセラー:子どもの心理面の相談や、保護者が対応を考える際の支援に利用できます。
- 教育委員会の教育相談窓口:学校の対応に不安がある場合や、学校以外の相談先を探したい場合に活用できます。
- 警察:暴行、脅迫、金品の要求など犯罪行為が疑われる場合や、身の危険がある場合の相談先です。緊急の危険が迫っている場合は110番を利用してください。
こども家庭庁も、いじめ防止対策の強化や、重大事態の調査における第三者性の確保などを進めています。学校や家庭だけで解決が難しいときには、地域の相談機関や専門職を含めた支援につなげることが大切です。
【いじめなぜ起こる】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:いじめはなぜ起こるのですか?
A1:いじめは、優位に立ちたい心理、ストレス、人間関係の対立、仲間外れを恐れる集団心理、周囲が止められない環境など、複数の要因が重なって起こります。原因を一つに決めつけず、個人と集団、学校環境の両面から考えることが大切です。
Q2:いじめられる側にも原因があるのでしょうか?
A2:被害を受けた子どもの性格や外見、行動を、いじめを正当化する理由にすることはできません。人間関係に行き違いがあっても、相手を傷つける行為は別の問題です。まずは被害を止め、安全を確保することを優先してください。
Q3:いじめが起きやすいクラスには特徴がありますか?
A3:仲間外れが黙認される、からかいを笑って受け流すことが求められる、困ったときに相談しにくい、教職員の情報共有が十分でないといった環境では、いじめが続きやすくなる可能性があります。ただし、特定のクラスの特徴だけで発生を断定することはできません。
Q4:いじめの認知件数が多い学校は、いじめが多い学校なのですか?
A4:認知件数だけでは判断できません。実際に事案が多い可能性に加え、小さな問題も積極的に把握している可能性があります。文部科学省は、初期段階からいじめを認知し、解消に向けて対応する姿勢を評価しています。件数だけでなく、発見後の対応や再発防止の取組も確認する必要があります。
Q5:学校がいじめに対応してくれないときは、どうすればよいですか?
A5:出来事の日時や内容、被害の状況、これまでの相談履歴を記録し、担任だけでなく校長などの管理職や教育委員会に相談してください。必要に応じてスクールカウンセラーや警察などの関係機関にもつなげます。本人の安全を優先し、学校の対応を待つ間も被害が続いていないか確認することが重要です。
まとめ:いじめを防ぐ鍵は、原因探しよりも構造を変えること
いじめはなぜ起こるのか。その答えは、特定の子どもの性格や家庭環境だけにあるのではありません。個人の感情、クラスの集団心理、仲間外れを恐れる気持ち、周囲の傍観、学校の対応、SNSによる関係の広がりなど、複数の要因が重なって発生し、長引くことがあります。
文部科学省の令和6年度調査で、いじめの認知件数は76万9,022件、重大事態は1,405件に達しました。この数字が示すのは、いじめの早期発見と適切な対応を続ける必要性です。認知件数の多さだけで学校を評価するのではなく、被害を見つけ、止め、再発を防げているかを確かめることが重要です。
家庭では、子どもが安心して悩みを話せる関係を築くこと。学校では、小さなサインを見逃さず、教職員が連携して対応すること。そして、周囲の子どもたちが安全に助けを求められる仕組みを整えることが、いじめの予防につながります。
被害を受けた子どもに責任を負わせず、加害行為を止め、必要な支援を続ける。そのために学校や家庭だけで抱え込まず、教育委員会や相談窓口、専門機関とつながることが大切です。いじめの原因を探る目的は、誰かを一方的に責めることではなく、子どもが安心して過ごせる環境を取り戻すことにあります。 (出典: いじめ なぜ 起こる(Yahoo!ニュース))