ひょうきん族のブラックデビルは明石家さんまの代役?高田純次からの交代理由と真相を徹底解剖
昭和のお笑い界に革命を起こし、今なおバラエティ番組の金字塔として語り継がれる『オレたちひょうきん族』。その看板コーナー「THE TAKECHAN MAN(タケちゃんマン)」において、ビートたけし演じる正義の味方と熾烈かつ爆笑のバトルを繰り広げた伝説の悪役がブラックデビルです。明石家さんまの代名詞的なキャラクターとして知られていますが、実は当初から彼のために用意された役ではありませんでした。
初代を務めたのは、当時すでに独特のナンセンスな存在感を放っていた高田純次でした。なぜ人気絶頂の番組で演者の交代劇が起きたのか、そして代役として急遽白羽の矢が立った明石家さんまは、いかにしてキャラクターを自らのものへと昇華させたのか。テレビ史の転換点となった舞台裏のドラマと、アドリブが生んだ伝説の真相を検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ブラックデビルの初代演者は高田純次であり、明石家さんまは急病による「ピンチヒッター」として第4話から緊急登板した。
- 要点2:台本を超えたアドリブとトレードマークの引き笑い「クックックッ」が爆発的な笑いを生み、制作陣の英断で正式交代が決定した。
- 要点3:初代の白塗り不気味路線から二代目の素顔を活かした軽妙路線へのシフトが、土曜8時戦争における『全員集合』打倒の決定打となった。
【発端】ブラックデビル初代は高田純次!1回限りの代役だった明石家さんま
1981年5月にレギュラー放送がスタートした『オレたちひょうきん族』において、悪の怪人ブラックデビルは当初、高田純次が演じていました。当時の高田純次は劇団東京乾電池に所属し、不気味さとシュールさを併せ持つ個性派タレントとして頭角を現していた時期です。
しかし、コーナー開始から間もない第4話の収録直前、高田純次が急病(突発性の病気・体調不良)により出演が困難となる緊急事態が発生しました。生放送に近いタイトな収録スケジュールの中、現場に大きな穴を開けるわけにはいかない制作陣が白羽の矢を立てたのが、同じく番組レギュラーとして参加していた明石家さんまでした。
当初のオファーは、あくまで高田純次が復帰するまでの「1回限りの代役(ピンチヒッター)」でした。衣装も高田純次のサイズに合わせて作られたものをそのまま着用し、まさに急場をしのぐための緊急登板に過ぎなかったのです。

【転換点】「クックックッ」誕生!アドリブと引き笑いが起こしたスタジオの覚醒
代役として黒マントとスーツに身を包んだ明石家さんまは、台本通りの悪役演技にとどまりませんでした。カメラが回るやいなや、相手役であるビートたけしの仕掛けに対して台本を完全に無視した猛烈なアドリブの応酬を開始したのです。
その中で自然発生的に飛び出したのが、息を吸い込みながら甲高く笑う伝説の引き笑い「クックックッ」でした。この独特の笑い声とマシンガントークは、従来の特撮パロディの枠組みを根底から破壊し、スタジオ内のスタッフや共演者を抱腹絶倒の渦に巻き込みました。
ビートたけし演じるタケちゃんマンとの掛け合いは、事前のリハーサルを軽々と飛び越え、互いの瞬発力をぶつけ合う真剣勝負へと変貌。収録現場の手応えを目の当たりにした当時の横澤彪プロデューサーをはじめとする制作陣は、この圧倒的な熱量を逃す手はないと判断し、高田純次の復帰後も明石家さんまをそのまま二代目ブラックデビルとして正式起用する決断を下しました。
【徹底比較】初代・高田純次と二代目・明石家さんまの造形・スタイルの違い
急遽の交代劇を経て定着したブラックデビルですが、初代と二代目ではキャラクターの方向性やビジュアルに明確な違いが存在します。番組初期の記録や当時の映像アーカイブからその相違点を整理しました。
| 比較項目 | 初代:高田純次 | 二代目:明石家さんま |
|---|---|---|
| ビジュアル・メイク | 顔全体に白塗りを施した怪奇色の強いメイク | 白塗りを廃止し、本人の表情や口元を活かした素顔メイク |
| キャラクター設定 | 不気味で陰湿、正統派特撮悪役にシュールさを足した路線 | お調子者で饒舌、狡猾だがどこか憎めないコミカルな怪人 |
| 笑い・口癖 | 台本に沿った芝居と不敵な薄笑い | 息を吸い込みながら笑う「クックックッ」とマシンガンツッコミ |
| タケちゃんマンとの関係 | 善と悪のパロディ対決(芝居重視) | たけし対さんまの芸人同士によるアドリブ果たし合い |
| 登場期間 | 番組初期の第1話〜第3話 | 第4話の代役登板からキャラクター殉職(第61話)まで |
初代の高田純次版は、顔に白塗りを施して劇画調の怪人を意識した作りになっていました。一方、明石家さんまに交代してからは、豊かな顔の表情や歯を見せて笑うリアクションを前面に出すため、白塗りを排除。この視覚的変化が、視聴者に「親しみやすく憎めない悪役」という強烈なインパクトを与える要因となりました。
【昭和お笑い史】「土曜8時戦争」を決定づけたライバル対決の構図
ブラックデビルの覚醒は、単なる一コーナーのヒットにとどまらず、当時のテレビ界のパワーバランスを激変させる引き金となりました。当時、土曜夜8時といえばTBSの『8時だョ!全員集合』(ザ・ドリフターズ)が圧倒的な視聴率を誇り、他局が次々と撤退した「難攻不落の要塞」でした。
緻密に計算された公開生放送の舞台コントで子供たちを魅了していたドリフターズに対し、『オレたちひょうきん族』が掲げた武器は、台本を解体して楽屋落ちや内輪ネタをも笑いに昇華させる「圧倒的なアドリブの生々しさ」でした。その象徴となったのが、ビートたけしと明石家さんまによるタケちゃんマン対ブラックデビルの一騎打ちです。
予定調和を一切拒否し、どちらが先に吹き出すかを競い合うような二人のスリリングな攻防は、若者層を中心に熱狂的な支持を獲得。徐々に視聴率を奪い取り、最終的に『全員集合』を終了へと追い込む「土曜8時戦争」の勝利を決定づける原動力となりました。
【系譜】息子のブラックデビルJr.から歴代怪人へのバトンタッチ
明石家さんまが演じたブラックデビルは、絶大な人気を誇りながらも第61話でタケちゃんマンとの激闘の末に敗北し、壮絶な最期を迎えます。しかし、そのキャラクターの魅力が色あせることはありませんでした。
第62話からは、父の仇を討つべく「ブラックデビルJr.」が初登場。同じく明石家さんまが演じ、父を上回る身勝手さとハイテンションな言動でコーナーを牽引しました。Jr.は女優の樋口可南子を最愛の人と公言するなど、明石家さんま本人のプライベートな嗜好や時事ネタをふんだんに取り込んだキャラクター付けがなされ、パロディの純度をさらに高めました。
その後、アミダばばあ、ナンデスカマン、知っとるケ、タケちゃんマンロボといった多彩な歴代怪人へとバトンが繋がれていきましたが、そのすべての原点となったのは、代役から奇跡的な化学反応を生み出したブラックデビルの存在だったと言えます。

【ブラックデビルさんま】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:高田純次はなぜ途中でブラックデビルを降板したのですか?
A1:当初は第4話収録時の急病による一時的な休演(代役対応)でしたが、急遽ピンチヒッターとして入った明石家さんまのアドリブと引き笑いが現場で爆発的な笑いを生んだため、制作陣の判断によりそのまま正式交代となりました。
Q2:初代の高田純次版と明石家さんま版の見た目は何が違いますか?
A2:初代の高田純次版は顔全体を白塗りにした不気味で怪奇色の強いメイクでしたが、二代目の明石家さんま版は白塗りをやめ、本人の特徴的な口元や豊かな表情を活かした素顔に近いメイクに変更されました。
Q3:ブラックデビルJr.とはどんなキャラクターですか?
A3:タケちゃんマンに敗れたブラックデビルの息子という設定で、第62話から登場しました。同じく明石家さんまが演じ、父の仇討ちを目的に現れながらも、当時好きだった実在の女優への愛を語るなど、より自由度の高いアドリブ怪人として親しまれました。
まとめ:ハプニングを伝説へと変えたテレビバラエティの原点
看板キャラクターの急病という収録現場の危機的トラブルから生まれた、明石家さんまのブラックデビル。一回限りの代役という極限の状況下で、用意された台本に頼ることなく、自身の瞬発力と独特の引き笑いによって役柄そのものを塗り替えてみせた手腕は、まさに不世出のコメディアンたる所以です。
綿密に作り込まれた台本重視のお笑いから、演者同士の生の感情とハプニングをそのまま見せる新しいエンターテインメントへ。ブラックデビルの誕生と進化の足跡は、日本のバラエティ史が大きく舵を切った決定的瞬間を象徴する出来事として、これからも語り継がれていくはずです。 (出典: ブラック デビル さんま(Yahoo!ニュース))